【投資テーマと各論】

ストラテジー

いつもお世話になっております。レモンです!

ブログ記事に対するみなさんからのお声が私のモチベーションとなり、今年に入ってから4記事目です。最初に感謝の気持ちも込めて、いくつかのコメントをピックアップさせて頂きます。

https://twitter.com/anchieiji2/status/1353264333246001157?s=20

 

さて、前回の記事が【リスクコントロール講座】ということで総論的な内容でしたから、今回は少し各論を織り交ぜた話をしていきます。

簡単に言えば、「我々が注目すべき投資テーマにはどんなものがあるか」「それに関連する銘柄はずばりどれか」といったわかりやすい内容となっています。加えて、それぞれのテーマが重なりあっていることも実際の例を挙げながらご紹介します。

ただ本記事では、紹介するETFや個別株の買いタイミングや売りタイミングについては一切触れていませんので、そのヒントについては過去記事をご参照下さい。自分には乗れない波だと思えば諦めるのがひとつ。

もしくは、それでも絶対に保有したいのなら、周りと比べてより遠いゴールを見据えて入っていく(つまり短期の上げ下げは無視する)か、現在の波が落ち着いた後から乗るか、のどちらかです。

【リスクコントロール講座】
複数のパラメーターでより繊細な管理を。

 

ジム・クレイマーも「Empowered Investors」として言及しているように、今の相場は個人投資家による個別銘柄の乱高下が頻発。

この相場でのトレード経験は投資家にとって必ずポジティブなものになるでしょうが、ロングポジションを上手に構築していくには少々波が荒いように思います。(特にビギナーには)

今回紹介する投資テーマはここ1−2ヶ月で消失してしまうようなものではありませんので、インタイミングには十分ご注意下さい。

投資テーマの中身については、良く単発で目にすることが多いと思います。つまり「AR/VR」だとか、「3Dプリンター」「スポーツベッティング」などなど。SNS上の情報だけでは、このような単発テーマに振り回されることもしばしばですが、あくまで理想は全体像を把握して、①その中でより強いテーマ②それらを掛け合わせたもの(重なり合うもの)に投資していきたいはずです。サラッと言いましたがこれは非常に大切なことです。(そして、そういった銘柄へ良いタイミングで入ることができれば最強!)

では、どのように投資テーマの全体像を把握するのか。

例えばひとつは、ARK社が「BIG IDEAS 2021」なるレポートを1月に出しています。これには今年のトレンドとなるであろう15の最新イノベーションが記されています。しかし、既にたくさんの方が翻訳されていますのでそちらをご参照ください(笑)。今回はこれとは異なる視点から注目すべき投資テーマを見ていきます。

 

テーマ別投資とそのメリット

まずはテーマ別投資の概論からです。テーマ別投資は今人気のある手法のひとつで、昨年もクリーンエネルギーETFを代表に、いくつものテーマ別ETFが話題となりました。

テーマ別ETF全体の2020年Q3における運用資産残高(AUM)は、米国ETF業界AUM総額の1.2%シェアでしたが、これがQ4時点で1.9%までシェアを伸ばしています。昨年のハイパフォーマンスETFにも、たくさんのテーマ別ETFがランクイン。

 

破壊的イノベーション」も今や立派なカテゴリーで、ARK社のみが扱っているわけではありません。以前に紹介した、MOONTMATの存在も頭に入れておく必要があります。

 

この破壊的イノベーション関連のカテゴリーが2020年Q4でAUM264億ドルの絶対増を記録。テーマ別では、ヘルスケア・イノベーションがAUM最大増、それにクラウドコンピューティング、クリーンエネルギーが続くかたちとなったようです。

 

テーマ別投資のメリットは、市場のなかでも成長力の高い分野に集中して資金投入できることでしょう。また、周辺知識を身につけた上での同業比較は投資の醍醐味とも言えます。

このようにテーマから銘柄を絞っていく際には、市場や産業の成長度合いを表すCAGR(年平均成長率)という概念を知っておく必要があります。例えば、世界のEV市場のCAGRはおよそ20−30%でコンセンサスが得られているようですし、AR/VRは両者合わせてCAGRが70%程度と大きな成長が見込まれていることが分かります。

インフルエンサーからの銘柄一本釣りもお手軽ですが、知識の広がりがなく、その応用もできません。「理想は全体像を把握して、①その中でより強いテーマ②それらを掛け合わせたものに投資していきたいはず」ですので、その助けとなれるよう更に掘り下げていきます!

 

注目テーマの全体像

GlobalX社が紹介している今後の注目テーマ分類があります。大きく分けて3つのカテゴリーから構成されており、そのひとつが①破壊的イノベーションです。他に、②変化する消費者習慣や、ヘルスケアを含む人口動態に注目したカテゴリー③気候変動やインフラなどの物理的環境に着目したカテゴリーがあります。

①破壊的イノベーション

属するメガテーマの数はこのカテゴリーが最も多く、全部で6つ挙げられています。

1,ビッグデータ (ディープラーニング/サイバーセキュリティ/エッジコンピューティング/リモートワーク)

2,モビリティ (AV/EV/リチウムバッテリー)

3,デジタルコンテンツ (AR/VR/VideoGame/E-sports/SNS)

4,Fintech (モバイル決済/クラウドファンディング/ブロックチェーン)

5,コネクティビティ (デジタルインフラ/5G/新興国インターネット/IoT/宇宙衛星通信)

6,ロボティクス (AI/3Dプリンター/ドローン)

 

②変化する消費者習慣と人口動態

1,New Consumer (ミレニアル世代/GenZ/新興国消費者/EC/教育/シェアエコノミー/ギグエコノミー/大麻/スポーツベッティング)

2,ヘルス (ヘルスケアイノベーション/新興国ヘルスケア)

 

③進化する物理的環境

1,気候変動 (クリーンテック/クリーンエナジー)

2,インフラ整備

 

ちなみに、ARK社「BIG IDEAS 2021」でも言及されている主な分野を太字にしてみました。重複しているもの以外でもかなり重要なワードがたくさんありますので見逃し注意です。この分類が正解という訳ではありませんが、頭の中を整理するツールになるのでは?

例えば、「5G」と言われた時に、「あー、確か破壊的イノベーションのコネクティビティに居たっけ」とイメージが湧けば、そこからの連想ゲームが容易になるかもしれません。

個人的には②-1「New Consumer」という捉え方も好きでした。若い世代がSNSを始めとする新しい市場を開拓してくれていますし、新興国市場の消費者をどう取り込んでいくかという視点も好きです。

娯楽大麻合法化により、そこに新たな消費が生まれることにも言葉では上手く表せませんが「0→1」のワクワクを感じました。

 

さて、以降はこれらに関する各論をいくつか紹介してこの記事を終えます。

もともと私は音楽でも映画でも、コラボリメイクマッシュアップリミックスなどが好きでした。好きなアーティスト同士のコラボや、好きな監督と好きな俳優のコラボ、ある作品のリメイク版や有名DJによるリミックス。ファッションブランドのコラボなどでも同じです。

その重なりにときめいたり、両者の関係性を知るのが好きでした。そんな「好き」が興じて、その視点を投資テーマへ応用しているのかもしれません。

上記全体像を把握した上で、その関連性や広がりを楽しんでみてください。

 

各論(コネクティビティ/ロボティクス)

突然ですが、みなさんはKTOSという企業を知っていますか?ARKQの組入銘柄で、主に無人偵察機などの防衛ドローンを米軍へ供給しています。ARK社がローンチ予定のARKXへ組み込まれるのでは? という憶測から話題にあがりました。ドローン以外にも軍事用レーザーシステムや衛生通信にも力を入れており、それらが宇宙産業と関連しているわけです。

宇宙開発はもともとNASAが先頭を走ってきましたが、ここ最近では民間化が広がり、このように防衛関連企業の多くが宇宙産業も手がけています。LMTRHXLHXなどがこれにあたります。

民間化により開発競争が激化すれば自ずとロケットの制作費や1回の打ち上げにかかるコストは低下し、宇宙は今後更に身近なものとなっていくでしょう。

「でも何も無い宇宙でどうやって生きていくの?」その問いに応えるのが3Dプリンターです。(もちろんそれ以外の用途も山ほどありますが笑)

なんでも地球からロケットに積んで持って行くわけにはいきませんから、現地で物資を調達する方法として注目されています。宇宙空間での製造および組立てまで可能になれば、移住計画も相当現実味が帯びてくる印象です。

ちなみに今話題の3Dプリンター銘柄は、DDDXONESSYSNNDMDMなど。

衛星の打ち上げだけに着目しても、例えばSPCEからスピンアウトした衛星打ち上げ企業「Virgin Orbit」は、今年の1月に、衛星をまず航空機で上空まで運び、そこからロケットで軌道へと投入する方法(mid-air launch)を映像とともに報告しています。

これだけでも胸アツですが、次のステップとして生身の人間が操縦する航空機から衛生を発射するのではなく、無人ドローンから発射するプロジェクトもいくつかの企業で既に進行しているようです。

なぜそんなに衛星を打ち上げるのかという疑問は先進国ならではかもしれません。

答えのひとつとして、デジタルインフラは依然世界の多くの地域で整っておらず、地球全体にインターネット通信が普及するにはまだまだ長い道のりがあるからです。

少し古い報告(2019)にはなりますが、世界人口におけるインターネット利用者はまだ50%を超えた程度です。キャシー・ウッドの言葉を借りれば「世界の隅々までmodern worldをもたらす」ために、この衛星打ち上げプロジェクトはより安全で低コストなものへと進化していくでしょう。

 

現時点で世界の国々は、Developed Markets(先進国市場)Emerging Markets(新興国市場)Frontier Markets(フロンティア市場)Least Developed Country(LDC:後開発途上国)といった序列で格付けされていますが、通信に限って言えばこの概念が崩れる日も近いかもしれません。

ちなみに、新興国のECやインターネット関連企業のみを対象としたETFがEMQQです。

 

ドローンに関して言えば、先ほどのKTOSに加え、中国ドローンEH、農業ドローンUAVSなども話題に上がりました。今や消防ドローンや配達ドローンもあります。

スポーツベッティングと絡めるなら、DKNGが今後コロラドやニュージャージーなど、一部の州でドローンレースへのベッティングが許可されるようになると直近で言及しています。

DraftKings announces it will now allow betting on drone races in some states
The Drone Racing League was founded in 2015

 

このように、デジタルインフラと宇宙開発、3Dプリンターやドローン、更にはスポーツベッティングまで様々な領域が関わりあっていることをお分かり頂けたと思います。これをヒントにみなさんが思うより強いテーマや、それらを掛け合わせたものを投資対象として検討してみては?

続いて、あとふたつほど見ていきます。

 

各論(ブロックチェーン/クリーンテック)

TSLAビットコイン(BTC)を約¥1600億分購入したことが報道され、BTCでテスラ購入を受け付けることも直近で発表されました。

そこで再度注目されたのがBTC(およびそのマイニング)クリーンエネルギーとの相性で、余剰電力をBTCのマイニングへ充てることでその価値保存が可能になるというアイディアです。

現在既にマイニングで消費される電力の39%がクリーンエネルギー(最多は水力発電)でまかなわれていると言われており、CLSKなどはこれを体現した企業です。

マイクログリッドとは一定の地域で、分散された複数のクリーン電力源からその需要をまかなう、所謂「地産地消型の電力系統」。CLSKはそのマイクログリッド分野とマイニング分野を併せ持っています。

SQのCEO、ジャック・ドーシーも2030年までに世界のマイニング事業による炭素排出量ゼロを目指すとコメントしています。「Bitcoin Clean Energy Investment Initiative」なる事業会社を設立しマイニングにおけるクリーンエネルギー利用の支援を行うとのこと。これにより更なるクリーン社会への転換を願っているようで、なんともお手本的なESG思考。素晴らしい。

ちなみに現在話題のマイニング企業はMARARIOTで、中国系であればBTBTなど。マイニング装置の会社は、これも中国系だがCAN。一方、大量のBTCを資産として保有するMSTRMOGOなども、BTC価格と連動して株価が変動する銘柄です。

マイニングのCO2排出ゼロに ──スクエア、ビットコイン業界の再エネ利用拡大 | CoinDesk JAPAN(コインデスク・ジャパン)
ジャック・ドーシーCEO率いる決済大手のスクエア(Square)は、ビットコインのマイニングで使用する電力を再生可能エネルギーで賄う取り組みを普及させる事業会社 ...

 

BTCをはじめ仮想通貨の多くはブロックチェーン技術の利点(分散管理や連鎖情報)を用いて取引されています。

このようなブロックチェーン技術は様々なものに応用されており、例えば今まで君臨してきた銀行などの中間業者を個人間の送金業務から完全に排除する可能性があります。メッセージのように国境も関係なく送金できる世の中はすぐそこかもしれません。

このような知識ひとつだけでも今後の投資先について考えさせられ、バフェットがかつて好んだ銀行への投資は、徐々に手堅いものでは無くなっていくでしょう。

 

各論(デジタルコンテンツ)

コロナ禍に巣ごもりとして注目されたVideoGameですが、そのあり方が変化してきていることは「BIG IDEAS 2021」でも言及されていました。つまりゲーム内課金による収益が近年増加しているというもの。

また、フォートナイト(Fortnite)世界大会で多額の賞金が出たことも記憶に新しいですね。ゲームがE-sportsとして注目されはじめ、これにより新たなスターが続々と出てくるというのは今までに無かった流れです。

 

同じデジタルコンテンツ分野の注目としてAR/VRがありますが、既にTwitterで何度も発信しているので説明は割愛。ボロ株かどうかはさておき、こういった小型ハイボラ銘柄に乗れた時に爆発的なリターンを得られるのは言うまでもありません。

 

また、先ほども少し言及しましたが、若い世代が新たな市場を席巻していく様を軽んじてはいけません。

ミレニアル世代は1980年から1995年の間に生まれた世代で、インターネット環境の整備が飛躍的に進んだ時代に育ちました。情報リテラシーに優れ、SNSを上手く使いこなすと言われています。

その次世代、GenZ(Z世代)は1996年から2015年の間に生まれた世代を指し、デジタルが当たり前の世代であることから「デジタルネイティブ」とも呼ばれるようです。

このような世代が作るトレンドに、例えば話題の「音声SNS」があるのかもしれません。ClubhouseのAPIだけでなく、中東+北アフリカ (MENA:Middle East & North Africa)をターゲットとしたYALAも話題となりました。

 

Take Home Message

さて、今日は、今後注目すべき投資テーマの全体像把握から、個々の分野を代表する銘柄、そしてそのつながり(連想ゲーム)、についてお話しました。少々詰め込み過ぎましたが、これでも全ての分野を紹介できたわけではありません。

ただ、テーマやイノベーションをターゲットにして、そこから知識を深めたり、その広がり/関連性を見ていく楽しさを知って頂けたのでは?と思っています。

これをヒントにみなさんが思うより強いテーマや、それらを掛け合わせたもの(重なり合うもの)に是非投資してみてください。成功を祈っております!

今日も最後まで読んで頂きありがとうございました。参考になりましたら、いいね/RTをお願いします!ではまた。

コメント

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