【IPOトレード入門】

ストラテジー

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さて、最近「IPOとその後」をテーマに少しだけ勉強をしましたので、今日はそれについてサクッと纏めてみたいと思います。IPOには関心が無いという方にも新たな気づきがある内容と思いますので付き合って頂ければ幸いです。

具体的には「IPOトレード入門 超成長株発見法」という本を題材に進めていきますが、内容はLeoさんが詳しく纏めてくれていますので、まずはそちらをお目通しください。

読んで頂くとわかると思いますが、この本ではIPO銘柄に共通するライフサイクルを見出し、3つのフェーズ(IPO-AP,I-DDP,I-AP)6つのパターン(遅咲き,パンプ&ダンプ,一発屋,ロケット,段階的上昇,失望)に分類しています。そしてこれらの売買タイミングについてもルールを明示してくれています。この記事ではこれらの内容から何が言えるか、そこに考えを進めていきます。

IPO投資に注目する理由

これまでに色々な記事を書いてきましたので「次はIPOにまで手を出すのか!」と驚く方もいるかもしれませんが、あくまで私が考える数ある戦略のひとつであることをご理解ください。例えば、今まで行ってきたリチウムへの投資は今後も続けていきます。

まずこのIPOトレード手法は基本的にトレンドフォロー型(順張り)であり、現在私が取り組んでいる投資戦略に通ずるところがありました。順張り/逆張り、どちらを選択するかは「目先、利益を取れるか?」という点に直結します。一般的に順張りはシンプルで初心者向きと言われています。

また、「中長期に伸びる銘柄へどれだけ早い時期から投資を開始できるか」というテーマの究極がIPO投資と考えました。オニールによれば株価上昇の大部分はIPOから数年以内に達成され、これが本当であれば「毎年新規上場してくる銘柄を片っ端から精査して投資するのが最も美味しい」と考えるのが自然です。

ただ初心者がやりがちな雰囲気売買には注意が必要です。VTI積み立て投資とは異なり、個別株投資では最低限の売買スキルが求められます。感情に左右されがちですが、ここをシステマティックに行えるかがリターン上昇の秘訣です。当書には売買タイミングに関しても実例を示しながら多くの記載があり、私が好感した理由のひとつです。

さて、それではIPO投資は最強なのか?

華やかにも思えるIPO投資ですが、その多くは初日安値をどこかで下回り、復活できたとしても10年以内に2バガーを達成できるのは51%のみ

重要なのはポーカーと同様、強い手のみで勝負をすること。良いフェーズ、良いパターンのみに手を絞り、機関投資家の参入を念頭にプレイする。安値を追うあまりにトレンドをはき違えては本末転倒です。ブレイクアウト(BO)に注目し最高のポイントで入っていく必要があります。

また当書でも書かれていますが、IPOトレードを行うのは基本的に強いブル相場だけであり、ポートフォリオ(PF)が好調な時のみということ。ジェフリーズのストラテジストは2022年末までにS&P500が7%上昇すると予想していますが、今後利上げが始まりいずれブル相場が終わるのであれば、この業績相場がIPOトレードを行える一旦のラストチャンスと考えるのが妥当です。

S&P500、22年末までに7%上昇-ジェフリーズ - The S&P 500 Can Rise 7% in the Next Year. Earnings Will Have to Keep Surging.
強気の理由は好調な企業業績

従ってIPO投資だけに頼らずその後も対応できるプランBを、各々必ず持っていることが前提となります。また当書ではここ2−3年のIPO銘柄は研究対象から外れているのでそこは補正が必要です。

ファンダメンタルズは重要か

バリュー株長期投資のバフェットに対して、グロース株短中期投資のオニール、というような構図が散見され、どちらもファンダメンタルズの重要性を強調しています。グロース株のファンダメンタルズ分析ではオニールのCAN-SLIMが有名ですが、素晴らしい点はその売買タイミングにも言及しているところ。

カップウィズハンドル(CwH)に代表されるU字型のベースから出来高を伴って上昇するBOに注目します。損切りは-8%20−25%で一度利確1−3w以内に20%上昇する場合は続けて8週間保有するルールもあります。分かりやすい図解Tweetを引用させて頂きます。

そんなオニール流派生の頂点にミネルヴィニが存在する印象で、彼は彼でSEPA戦略(Specific Entry Point Analysis)なるものを提唱しています。ファンダメンタルズから先導株を探し、機関投資家の買い集めが起こる第2ステージで買い、機関投資家の売り抜けが起こる第3ステージで売るというもの。

具体的な買いポイントについては、トレンドテンプレートで上昇トレンドを確認、VCPパターン(Volatility Contraction Pattern)で機関参入を嗅ぎつけます。

一方、「じっちゃま」こと広瀬隆雄氏はいかがでしょう。10バガーを目指すなら、株価下落やマーケットの調整に左右されず決算が良ければホールドを継続するというもの。確かにシンプルイズベストではありますが、これを「どのタイミングで買っても良い」と解釈してしまうとその後の株価乱高下でメンタルを酷く消耗することになります。

さて、今回の「IPOトレード入門 超成長株発見法」では、購入銘柄のスクリーニングにファンダメンタルズ要素はほとんど含まれませんが、結論としてファンダメンタルズ分析は欠かせません。より簡便に行うならIPO後初回決算、2回目決算…というように決算Beatを続けられるかにまず注目してみましょう。

より詳細に分析したい方は、上記オニールやミネルヴィニの手法を参考にIPO銘柄のファンダメンタルズを深掘りしてみてください。当書でも黒字企業かつ売り上げ成長率が大きく伸びていればなお良いと付け加えられています。

ただIPO直後からトレードを開始するわけでなければ、以下のスクリーニングだけで十分銘柄を絞ることができますので、その後から(やるのであれば詳細な)ファンダメンタルズ分析を追加した方が順序として効率が良いと考えます。

①その銘柄の1日売買額>$20mil(厳しく絞るなら>$40mil)

②現在の株価が直近52w安値より+25%以上

③上場90日以内にIPO初値から+100%以上

①は、機関投資家のトレード対象となるような流動性が保たれているかのスクリーニング。②はトレンドの確認。③は、レアジュエル条件というもので、これをクリアしている銘柄は他のIPO銘柄と比べて初値から+500%を達成する可能性が2倍高いことが分かっています。

なお当書でファンダメンタルズ要素について言及がないのは、これらの情報は銘柄により一部公開されていなかったり情報源によりまちまちだったりと研究対象として不適切だったからとのこと。一方チャートは少々の例外はあるものの、多くが規定のフェーズやパターンに分類できたと。

何倍を狙うのか

これはきちんと頭の中でイメージしておいた方が良さそうです。IPO銘柄で10バガーを達成できるのはわずか10%のみ。当書でのレアジュエル条件のクリアを確認してから投資を始めるのであれば、中長期でおよそ4−5倍の上昇を狙うことになります。

10バガーを狙うからにはより安値で投資を開始したい気持ちも分かりますが、良い手のみに絞ってプレイするにはそれなりの見極めも必要です。

例えば、パンプ&ダンプも失望も途中までは似たようなチャートパターンであり、これらは時間をかけてベースの確認をする必要があります。より安値での購入に固執するあまり、パターンの見当間違いを起こしてしまうことは当然あるわけですよね。

フェーズの見極めも大切です。IPOでは創業者、エンジェル投資家、ベンチャーキャピタリストから徐々に機関投資家へとプレイヤーが変わっていきますが、この推移が最大の鍵です

フェーズで言えば、上場から7w以内のIPO-AP、その後の観察期間I-DDP終盤には流動性が高まり、機関投資家の買い集めが始まれば、BOを経てボラティリティの小さいI-APへと移ります。

なお、当書における買いポイントは以下の通りです。

パターンやフェーズの見当間違いを減らし損失を極力少なくする上で大切なのは、決して安く買うことではありません。当書で紹介しているような緻密なスクリーニングや買いポイントの見極めなんです。それをクリアした銘柄のみが何倍狙えるかという話に進めます。(安値のナンピンを続け、ストーリーのみでバガーの皮算用してませんか?)

ただこの世に100%はありませんから、パターンでもフェーズでも、自分の想定と異なることは多々あります。それが起きてしまった時の安全弁として損切りラインを設けておく必要があります。そして、この損切りラインを明確に設定できるのがトレンドフォロー型、順張り投資の長所です。当書では-10%の損切りラインが提示されています。

一方、ナンピン型・逆張り投資の方は、投入額を増やしながら購入単価をどんどん下げていきますので、損切りラインが自身でもどんどん曖昧になりがちです。

ここに書いたのはIPOをプレイしない投資家さんにも非常に大切なポイントです。

売却ルールと実際

当書の売却ルールは、パターンやフェーズにより4つの手法が提示されています。私に限って言えばIPO-APでの短期トレードをやるつもりはないので、今後使うなら中長期のミッドタームルール40wルールかと思います。

※ミッドタームルールは、その週の終値が10w SMAを2回下回り日中で直近2wの安値を6%下回ったら売る。その週の終値がその週の高値から30%以上安く引けたら売る。その週の終値が40w SMAを下回ったら売る。1年間保有しその週の終値が10w SMAを下回って引けたら売る。

※40wルールは、その週の終値が40w SMAを1%下回ったら売る。

それぞれミッドタームルールは、I-APのパンプ&ダンプや段階的上昇と相性がよく、40wルールは、I-APのパンプ&ダンプや段階的上昇、遅咲きと相性が良かったと。

ただ実際には年に2−3回は調整が来ますし、ロックアップにも注意しておく必要があります。キャッシュが必要になれば、PF内の低パフォーマンス銘柄から売却せざるを得ないこともでてきます。

また、長く持つためには、例えば途中まではミッドタームルールで運用し、大きな上昇でしっかりと部分利確ができれば、後は40wルールに変更するなどの柔軟な対応も推奨されます。

これらの売却ルールから言えるのは、I-AP以降10w SMAを2回下回ったり、40w SMAを下回れば、IPO後の超成長過程は一旦幕を閉じるということ。もちろん中にはその後も復活するような銘柄は多々ありますが、IPO投資以外にも広く応用ができそうな知見ですね。あえてそこからINしていく場合には慎重な姿勢が求められます。

私の考えと注目銘柄

実際にどのように銘柄を絞っていくかを見ていきましょう。

まずは1日の売買額>$40mil現在の株価が直近安値から25%以上であることに加え、レアジュエル条件をクリアしている銘柄を探します。そして私の場合、I-DDPからI-APへと移っていくフェーズから中長期で投資したいので、上場して間もない(およそ7w以内の)IPO-AP銘柄は除きます

パターンとしては、パンプ&ダンプ段階的上昇遅咲きに注目します。

買いポイントとしては、出来高を伴って+25%以上の強い上昇が起こるBreakaway Gap、またはI-DDPの終わりに流動性が高まり成熟ベースをBOするタイミングを狙います。

これらに加えて、決算を連続でBeatしていることや、前回のベース天井が下値支持線となっていること、上昇で出来高が増え下落で出来高が減ること(up/down volume ratio>1)、などが確認できればなお魅力的ですね。それでは実際のIPO銘柄(2019年以降)を例に見ていきます。

例えば、執筆時点でGTLBBIRDは52w安値付近にいますから条件クリアならず除外。またどちらもIPOして間もないですから、私はこういった銘柄には触れません。要経過観察。

次に、1日売買額>$40mil、52w安値から+25%以上、レアジュエル条件を全てクリアしている銘柄をいくつかピックアップしてお示しします。御自身でも是非これらの銘柄を深掘りして頂けたらと思います。

DASHは基本的なスクリーニング条件はクリアしていますが、現在は前回高値$214のラインを下に割ってしまっているように見えます。今後いち早くラインを戻せるかに注目です。

ASOGFLはどちらも綺麗なチャートをしています。それぞれIPO初値から既に3.54倍、2.35倍。今から買っていくかと聞かれると難しいところですね。その他ファンダメンタルズを精査して10バガーの素質があればまだ買いと考えます。

RBLXはどうでしょう?パンプ&ダンプパターンで、上場から2ヶ月の2021年5月にBOしていますがそこからダラダラと下げが続いていました。今回の決算で大きくBreakaway Gap、メタバース熱も追い風となり株価を伸ばしました。出来高も大きく上げていますが、メタバース関連の投機筋も混ざっていそうで、私は今からでは買いにくいという判断です。

次はZI。IPO-APの$54ラインを長らく越えられずにいましたが、2021年7月にBOしてからは好調、要所での株価上昇に出来高も伴っています。オニールが携わるIBD紙推奨「IBD50」にも含まれており、簡便な判断ではありますがファンダメンタルズへの信頼も補完できます。南ア変異株ショックで押し目となれば買い場と考えます。

EDRは総合格闘技UFCやミスユニバースを傘下に持つ2021年4月のIPO銘柄。遅咲きパターンで現在Cupを形成中。このまま推移すれば$33付近が買いポイントとなりそうです。私はひと足早く、サブPFで購入を開始しています。今後の展開に注目です。

ONONは比較的最近の銘柄です。CwHで決算を迎え見事BOしていますね。$40−41をサポートとして買い場を迎える可能性があります。こちらもIBD50入り。

最後にMNDY。これも決算を連続でBeat、IBD50入り。現在メインPFで保有中。パターンは段階的上昇でレンジで揉み合っている様な印象です。出来高は増加しており、BOに期待がかかります。この下値支持線を割っていく様であれば損切りです。

Take Home Message

さて、いかがだったでしょうか?

私はIPO投資を激推ししている訳ではありませんし、実例に挙げた銘柄の行く先を盲信している訳でもありません。ただこういった投資手法があることを知り、それなりにフェーズやパターンに分けて観察することができればより投資が楽しくなりませんか

今回の記事がそういったきっかけになれば嬉しいです。皆さんと議論を重ね、より良いスクリーニング方法、売買手法を追求していければと考えます。是非面白い提案、お待ちしております。

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